高橋です。
私がコンサルティングしている「営業プロセス研修」のエッセンスを、毎回お伝えしています。
今月のテーマは 「信頼を勝ち取るヒアリングの極意」 です。
営業の現場では「話す力」が注目されがちですが、実際に契約につながるのは「聞く力」です。
お客様は「自分の話をしっかり聞いてくれる人」に安心感を覚え、「この人に任せたい」と思うものです。
ヒアリングが信頼を生む理由
商談でありがちな失敗は、早く提案したい気持ちが強すぎて、十分にお客様の話を聞かずに自分の商品説明に入ってしまうことです。
しかし、お客様の本音や潜在的な課題は、じっくり話を聞く中でしか出てきません。
つまり、ヒアリングとは「お客様を知るための時間」であると同時に、「お客様に信頼されるための時間」なのです。
ヒアリングの3つのポイント
① 表面的な要望の奥にある“背景”を探る
「リフォームしたい」「コストを抑えたい」といった表面的な要望の奥には、必ず背景があります。
たとえば「子どもが独立して空き部屋が増えた」「最近テレワークが増えた」など。
背景を理解できれば、提案の幅は一気に広がります。
② 「沈黙」を恐れず待つ
営業マンが焦って質問を重ねると、相手は考える余裕を失い、本音を話してくれません。
沈黙の時間は、お客様が考えを整理している大事な時間です。勇気をもって待つことが、本当の声を引き出します。
③ 繰り返しと要約で安心感を与える
「つまり、○○ということですね」
「なるほど、△△が一番のご心配なんですね」
と相手の言葉を繰り返したり要約したりすることで、「ちゃんと理解してもらえている」と感じてもらえます。これが信頼を積み重ねます。
実際の商談をイメージしてみてください
もし、あなたがお客様の立場だとして、
「自分の話を遮らず、背景まで興味を持って聞いてくれる営業マン」
「一方的に商品説明をする営業マン」
どちらを信頼されるでしょうか?
ヒアリングは、ただ情報を集めるためではなく、信頼関係を築くための最初のステップです。
ぜひ次回の商談で、「背景を聞く」「沈黙を待つ」「要約で返す」の3つを意識してみてください。
営業プロセス、営業研修、人材育成、セールスコーチなどをご検討の経営者・経営幹部・リーダー・士業の方は、お気軽に弊社にご相談ください。