CX感動体験が長期的な業績向上をもたらす

高橋です。

 

私がコンサルティングをしている『営業プロセス研修』のエッセンスを、毎回お伝えしています。

 

今月のテーマは「CX感動体験が長期的な業績向上をもたらす」です。前回、CS(顧客満足)から新しいビジネスのヒントを見出すことをお伝えしました。今回はCSをさらにCX「顧客感動」のレベルに引き上げ、成果に結びつけることを考えます。

 

CX(Customer Experience)について確認しましょう。昨今、お客様のニーズは多様化しており自社の独自性や競合との差別化が難しい時代と言われます。そのような中、「顧客体験」をどのように向上させていくかが重要視されています。「顧客体験」とは商品やサービスを購入したり消費するプロセスで顧客が体験する価値を指します。CXはその「顧客体験」にどのような価値(経験価値)を持たせられるかということです。

 

例えば顧客がスーツを購入する場合、スーツそのものの質の良さや着心地だけでなく、「ネットで検索すると自分の欲しかったスーツがすぐに見つかった」「店員の対応が素晴らしく気分よく試着できた」「買った後も寸法のお直しに応じてくれた」「次の購入に使えるクーポンや特典がもらえた」など様々なポイントでお客様に「また買いに行きたい」と思っていただける工夫をすることです。

 

CXを考える上で大切なことは、顧客の立場で何をしてほしいのか、何をしてもらうと感動レベルになるのか想像することです。顧客がしてほしいと思うであろうことを前もって準備して実行する、そういった取り組みが顧客の期待を越えた「感動」を届けることになります。

 

事例を見てみましょう。

 

東京ディズニーランドは「夢の国」として感動の宝庫ですが、小さなことからもCXを提供しています。おつりが300円で百円玉3枚の時、手のひらに3枚をミッキーマウスのように並べて返してくれるそうです。またレストランのテーブルに用意されたナプキンはミッキーとミニーをかたどった折り方で食事を感動体験へアップグレードしています。このように小さな感動や驚きがクチコミで評判となりファンの中で「また行ってみたい」となります。

 

スターバックスはただコーヒーを提供しているわけではありません。スタッフのフレンドリーなあいさつや応対、ゆったりとくつろげるソファ、センスの良い音楽、などすべてが「サードプレイス」家庭でもない職場でもない、自分らしくいられる第三の居場所を提供しています。つまりスターバックスの空間そのものがCXを体現していると言えるでしょう。

 

このように顧客の感動を呼ぶ取組みCXが、ファンを作り、そのファンがクチコミや評判でさらにファンを作るという好循環を生み出します。一度ファンになっていただくと、広告をしなくても、キャンペーンにお金をかけなくてもリピートしていただける、離れないお客様になっていただけるのです。長期的に見て、CXでファンを作ることが業績の安定と企業の発展に寄与します。

 

お客様にどのような感動体験を提供できるか、一度考えてみられてはいかがでしょうか。

 

営業プロセス、営業研修、人材育成、セールスコーチなどをご検討の経営者・経営幹部・リーダー・士業の方はお気軽に弊社にご相談ください。