クレームは宝の山⁉グッドマンの法則

高橋です。

 

私がコンサルティングをしている『営業プロセス研修』のエッセンスを、毎回お伝えしています。

 

今月のテーマは「クレームは宝の山⁉グッドマンの法則」です。前回、前々回と顧客満足、顧客感動をテーマとしてきました。今回は顧客対応が企業の長期的な業績を左右するお話しです。

 

さて、どのような仕事でも、常にお客様にご満足いただけるわけではないですね。時にはお客様からお叱りの声をいただくこともあるでしょう。そのお叱りの声、いわゆるクレームは貴重なものです。クレームは宝の山であることを、グッドマンの法則が教えてくれます。

 

グッドマンの法則(厳密にはグッドマンの第一法則)とは、『不満を企業に伝えてくる顧客のうち、対応に満足した顧客の再購入決定率は申し立てなかった顧客に比べて高くなる』というものです。

 

詳しく見てみましょう。まず、企業に不満を感じた顧客のうちクレームを言ってくれる顧客はわずか4%、残り96%は不満を感じてもクレームを言ってくださいません。まずはクレームを言ってくださることがいかに貴重なことか、分かります。そして、そのクレームを言ってくださらない96%の顧客のうち、再購入してくださるのは9%のみ、あとの91%のお客様とはそれきりとなります。

クレームを言ってくださった4%の顧客に対して、企業側が迅速に対応した場合の再購入率82%、解決に満足した場合の再購入率54%、不満だが納得した場合の再購入率19%という結果になります。

 

企業側の対応いかんで、お客様とのご縁(再購入)が続くか、それとも縁が切れてそれまでとなるかが変わってくるのです。きっと対応に満足し再購入してくださるお客様なら、これからもお客様であり続けてくださるだけでなく、他のお客様も呼んできてくださるのではないでしょうか。口コミや評判というのは、そのようなものでしょう。クレームへの対応が信頼を生むのです。

 

先日、ある大手化粧品会社を見学させていただきました。その企業は顧客感動のトップ企業だと私は思っているのですが、そのこだわりは並々ならぬものがあります。お客様の肌の悩み相談に2時間かけるのは当たり前(しかもコールセンターで)、ご本人よりその人の肌の履歴を知っていたり(記録している)、手が不自由なお客様がいらっしゃれば開けやすい容器を特別に用意したり、普通の企業ではとてもできないことを長く実践しておられます。

 

今では顧客感動のトップ企業ですが、しかし、その取り組みのスタートはクレームだったそうです。以前強引なセールスが不評をかい、返品の山ができたそうです。その時に販売を3か月間全てストップして徹底的に社員で議論し、自社の理念から見直したそうです。そこから生まれたのが今の顧客対応の体制です。「100人のお客様に買っていただくより、1人のお客様に100回買っていただく」ことを目指しておられます。

 

いかがでしょう、まさに「クレームは宝の山」を実践しておられます。どの企業でも顧客満足を言われますが、それをどのような行動(企業の取り組み)にしているのかで結果は違うモノです。今一度、自社の顧客満足・顧客感動を考えてみましょう。

 

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