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ビジネスコミュニケーションにおける意図をつかむ聴き方

私がコンサルティングをしている『営業プロセス研修』のエッセンスを、毎回お伝えしています。

 

今回は「ビジネスコミュニケーションにおける意図をつかむ聴き方」というテーマでお届けします。

 

コミュニケーション能力を「聴く」と「伝える」に分けて考えてみます。今回は「聴く」編です。

 

傾聴力とよく言いますが、相手の話しをよく聴くということはどういうことでしょうか?私はよく聴くということを、「相手の話しの意図を正確につかむこと」と説明しています。

 

そこで相手の話しの意図を正確につかむためには何に気をつけなければならないのか、ポイントが2点あります。

 

1点目は相手と自分とで前提が揃っていることです。自分にとっての常識が、相手にとっても常識だとは限りません。しかしコミュニケーションにおいては、そのことを無視して自分の前提(思い込み)のフィルターで相手の話しを解釈するので誤解が生じます。

 

例えば「適当」という言葉がありますが、元々の意味は、ほどよく当てはまっているということです。しかし、それがいつしか、適当にするということが、手を抜いたやり方で処理して構わないという意味に受け取られるようになってしまいました。このように言葉一つをとってもお互いの前提が違えば、食い違った意味にとらえられることもあります。

 

よってコミュニケーションにおいて、聴き手は(もちろん話し手も)人それぞれ物事の捉え方が違うということを認識し、前提を確認しながらコミュニケーションすることが重要です。

 

2点目は話し手がその結論に至った「理由」までしっかり聴くということです。理由というのはその話しの背景や話の目的のことです。

 

例えば、上司が部下に「今月の売上の資料を作っておいて」と依頼したとします。ここで、その資料は社内会議用なのか外部に発信するための資料か、経営幹部に報告するための資料か営業チームのミーティング資料なのか、で書式やどこまで詳細に記入するかは違ってきます。

 

結果は「資料を作る」ことですが、話し手の目的をしっかり確認しないと、意図をくんだことにはなりません。結論に至った理由まで聴くというのは、そのようなことです。理由にこそ話し手が伝えたい意図(話の目的)が表れます。

 

前提を確認すること、話の理由(背景や目的)まで聴くことの2点をポイントとしてあげました。ではビジネス上ではどのように聴けばいいのか?

 

仕事では「具体的に聴く」ことが間違いなく聴き取る方法です。具体的とは、相手の話しをW3Hで確認しながら聴くことです。What何を(課題)Why なぜ(動機)Who 誰に(対象)When いつ(時期・時間帯)Where どこで(場所)、How どのように(手段)、How many どのくらい(規模)、How much いくら(価格)、を明確に聴くことができれば、相手の意図をとり間違えることはなくなります。

 

今回はビジネスコミュニケーションにおける意図をくむ聴き方をご紹介しました。前提を揃える、理由まで聴き取る、そのために5W3Hで具体的に確認をする。もし普段のビジネスコミュニケーションで勘違いや意図の取り違いがあるなら、一度意識して試していただければと思います。お互い間違いや勘違いのないスムーズなコミュニケーションで仕事したいものですね。

 

次回は、ビジネスコミュニケーションにおける伝える側にフォーカスした正確に伝える技術についてお伝えします。

 

 

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