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企業が求めるコミュニケーション能力とは

 

私がコンサルティングをしている『営業プロセス研修』のエッセンスを、毎回お伝えしています。

 

今回は「企業が求めるコミュニケーション能力とは」というテーマでお届けします。

 

内閣府の調査によると、企業が新入社員を採用する時にどのような人物を求めているかというと、「コミュニケーション能力が高い」人を最も重視するという結果が出ていました。(出典:内閣府 学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査)

 

コミュニケーション能力を求めるというのは、実感として当然だと思いますが、その背景を見てみましょう。

 

「マネジメントの父」ピーター・F・ドラッカーは

 

「知識労働者は自分の貢献を利用してくれる組織があって、はじめて成果をあげることができる」

(出典:PF・ドラッカー著「プロフェッショナルの条件」)

 

「専門家にとってはコミュニケーションが問題である。自らのアウトプットが他の者のインプットにならないかぎり、成果があがらない。」

(出典:PF・ドラッカー著「マネジメント」)

 

と言っています。

 

現在の高度な社会では、労働者はみな知識労働者となり、ますます仕事やスキルが専門化していきます。そうなると、必然的に仕事は分業制になり「専門家同士の協力」なくして成果をあげることはできなくなります。そこで協力するためにはコミュニケーション能力が必要というわけです。

 

例えば、プログラマーの仕事を考えると、自分が作っているのは大きなプログラムの中のある一部分になるでしょう。自分の前に作られたモノを受け取り、自分がさらに付け加え、次の人にその成果物を送る。その際、前の人が行った作業を前提として理解した上で、自分が作業を行い、そして自分の行った作業の意図を次の人に理会してもらえるように伝え、上手く活用してもらわなければ最終的な成果に結びつきません。この一連の業務プロセスが、まさにコミュニケーションです。

 

よって、知識労働者はその知的能力だけでなく、自分の能力を使ってもらう、もしくは他のメンバーの能力を活かすなど、やり取りを上手にできるコミュニケーション能力が求められるのです。

 

学生時代に求められるコミュニケーションと言えば、「一緒にいて楽しい」「みんなを盛り上げる」といったことでしょうか。しかし企業が求めるコミュニケーションはズバリ「一緒に仕事して成果が出る」ということです。

 

またドラッカーはコミュニケーションについて4つの基本も述べています。すなわち、コミュニケーションとは、「知覚であり」「期待であり」「要求であり」「情報ではない」です。

 

「知覚であり」とは、誰も聞かなければ音はない、つまり聞いてくれる受け手に向けて相手が分かる言葉遣い、理解できるレベルでコミュニケーションしなければ成り立たないということです。

 

「期待であり」とは、誰も自分の知りたいこと、聞きたいことしか聞かないということです。逆に言うと、相手の関心あることでなければコミュニケーションできないということです。

 

「要求であり」とは、受け手に何かを要求する、つまり何かになること、何かをするということです。コミュニケーションによって、何かを得ようとするということです。

 

「情報ではない」とは、情報(論理)だけでは伝わらないということです。最も伝わるのは、感情であり、挫折や栄光の感動物語であることは、皆が経験していることでしょう。

 

次回はこれらの知識を踏まえ、ビジネスにおけるコミュニケーション能力をいかに磨くかということをお伝えします。

 

 

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