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ファンマーケティング

高橋です。

 

私がコンサルティングをしている『営業プロセス研修』のエッセンスを、数回に分けてお伝えしています。

 

今回は「ファンマーケティング」というテーマでお届けします。

 

私がコンサルティングでお世話になっている企業も、昨今のコロナ禍の影響を受け営業活動が思い通りに出来ず売上減や利益減に苦労されています。そのような時も既存のお客様はありがたいもので、従来通りの注文をいただけたり、逆に新しい商材を提案していただいたり、お客様をご紹介くださったりしています。

 

そのように便宜を図ってくださるのは、長年のお付き合いの結果お客様が自社の応援者(ファン)になってくださっているからでしょう。もちろん平時も常連客なのですが困った時にこそ手を差し伸べてくださる、そのような関係を築いてきた成果だと思います。

 

佐藤尚之著「ファンベース」(ちくま新書)には、「ファンベースとは、ファンを大切にし、ファンをベースにして中長期的に売上や価値を上げていく考え方」と定義しています。人口減少や高齢化、超成熟市場、情報過多などで、新規顧客獲得がどんどん困難になっている時代だからこそファンを大切にするファンマーケティングが必要と言います。まさにこのコロナ禍で新しいお客様に会えない状況も同じです。

 

パレートの法則はご存じでしょうか?二八(にはち)の法則とも20:80の法則とも言われますが、2割のお客様が全体の売上の8割を占めているということです。この法則はファンマーケティングでも当てはまることが多いようです。例えば、ある飲料メーカーでは8%のコアファン層が46%の売上を支えており、コアファンの下のファン層37%が売上の43%を支えているそうです。つまり全体の売上の約9割がファン(コアファンとファン)層でもたらされていることになります。それぐらいファンはありがたい存在と言え、ファンであり続けてもらうことがいかに売上の安定に貢献するかがわかります。

 

私も同じような経験をしてきました。前職で15年間保険の営業をしていたのですが、お客様からお客様をご紹介いただくスタイルで仕事を続けさせていただけたのもファン(自分で言うのはおこがましいですが)になって応援してくださった既契約者の方々のおかげ様でした。

 

ファンはどのように作ればいいのでしょうか?

前出の「ファンベース」では「共感」「愛着」「信頼」というキーワードで解説しています。「共感」はお客様が好きになってくださっている部分を知ってさらに強化していくこと。「愛着」は他には代えられないというぐらいの関わりを持つこと。「信頼」は日々の関りを積み重ねてお客様との間に信頼関係を築くこと。企業は中長期的にこれらを様々な取り組みの中で施し、顧客を「ファン」に育てていくということです。

 

私の場合ですと、とても抽象的ですが、ファンになっていただくということは「好かれること」だと思っていました。取り扱う商品が良いとかお得であるということも大事でしょうが、それより担当である営業マン(私)を気に入っていただくこと、その後も付き合いたいと思っていただけるかで、契約はもちろんファンになっていただけるか、ご紹介をいただけるかが決まると思います。

好かれる、気に入っていただくためには、何が必要でしょうか?仕事における知識やスキルを備えていることは当然です。

その上で、好かれるためにはお客様に関心を持って接することだと思います。人は自分に興味関心を持つ人のことに好感を持つものです。好かれるためにお世辞を言ったり媚びることではなく、お客様に関心を持つと相手のことが知りたくて質問したくなり自然と会話が発生します。すると今度はお客様も営業マンに関心を寄せていただき、お互いの人となりも分かるでしょう。そこに信頼感も生まれますし、たがいに好感を持つものです。当初は営業活動やビジネス上でお会いしたとはいえ、人と人としてのお付き合いの延長線上に「ファン」が生まれると思います。

 

ファンマーケティングと言うと、企業がイベントやSNSの発信など色々な施策や仕掛けを行いファンを増やそうとしますが、まずは一人の営業パーソンとしてお客様に接する基本的な態度を考えたいものです。

 

ファンマーケティング、顧客満足、人材育成、セールスコーチなどをお考えの経営者・経営幹部・リーダー・士業の方はお気軽に弊社にご相談ください。